ハトまで食べてしまう東欧の巨大ナマズが激減する回遊魚を減らす火種に

長いもので体長が3メートル以上、体重が270キロを超える東ヨーロッパに生息するヨーロッパオオナマズが西ヨーロッパにも広がりを見せ、激減する現地の貴重な回遊魚たちの火種になっているとナショナルジオグラフィックが伝えています。

西側のヨーロッパに東ヨーロッパ原産のヨーロッパオオナマズが持ち込まれたのは1970年代のことで、釣り人が持ち込んだとされています。自分が住む場所でも大きなナマズ釣りを楽しみたかったのでしょうか。

原産地のに東ヨーロッパでは食用にするため漁が盛んに行われ、養殖までされています。


タルン川に浮かぶ小島の周りを泳ぐヨーロッパオオナマズ。油断しているハトを捕らえようとしている。
出典:ナショナルジオグラフィック




ナマズがハトを捕食する瞬間

ランスのトゥールーズ大学の魚類生態学者はある日、南フランスの町アルビの橋の上から流れるタルン川に浮かぶ小さな島の上を自由に歩き回るハトの群れを見ていると、突然1匹のナマズが水から飛び出しハトに噛みつき、ぐるぐるとのた打ち回りながら川に戻っていった光景を目にしたそうです。

シャチが浜辺まで乗り上げてアザラシやペンギンを捕食したり、ナマズやその他の大型魚が水鳥であるカモなどを食べていたなどの話は聞いたことがあるが”ハトを食べるナマズ!?”は初めて聞きました。

在来魚に脅威

西ヨーロッパでは10年ほど前まではヨーロッパオオナマズのことはほとんど認知されてこなかったため、知る人はごく一部。

ですがここにきて研究者らの注目を集めているのは、新たに生息地を求めたやってきた西ヨーロッパのオオナマズは、昨今数が激減して深刻な問題に発展している近海のニシンの仲間であるアリスシャッドやタイセイヨウサケなどの生存が危ぶまれています。

しかし、原産地であるいっぽうの東ヨーロッパでは個体数が何十年もの間、比較的安定していたようで、他の在来魚を過度に捕食するという証拠はのこっていないそうです。